超高齢化社会、日本。この先数年間は続くと言われている。
そこで必要になるのか介護。
介護と言っても軽度のものから重度のものまである。ここでは介護について詳しくは控えさせていただき、高齢者(基本的に自立している人)に対するフレイル予防、介護予防、または被介護者の状態維持向上のための運動指導に関して記したいと思います。
運動の種類
自転車をこいだり、レッグプレスやチェストプレス、レッドコードトレーニング、平行棒や段差を用いたトレーニングなど様々。
どれをどのように使えば良いか、指導員やトレーナーの人は迷うこともあるのではないか。
マニュアルとしてしっかりと考えられているメニューがあれば、それに従って順番に実施すれば基本的に良いのですが、やはり万人に対してOKとは言えないのが事実。
その人の状態を把握した上で、強度を変えていく必要がある。
指導基本メニューの作り方
自転車こぎや、レッグプレスなど、一定の動作しか伴わないトレーニングは特別問題ないが、平行棒やレッドコードトレーニングは、ある程度、指導員が考えて指導する必要がある。
けど、日々の業務の中で、やることが分からなくなったりとマンネリ化してしまうこともあるのではないでしょうか。
そんなときは人間の生活(日常生活)から最低限の動きをイメージし、それに合う関節の動かし方や使う筋肉をピックアップし運動メニューに取り入れればどうか。
例えば、「歩く」動作を分析すると「太ももを上げる、膝を伸ばす、重心を前に移動、着地」といった具合に動作を細切れで考えることができる。
さらにそれぞれの動作に使っている筋肉を考え、その筋肉を使うような運動をすれば良い。
例えば、「太ももを上げる」に必要な筋肉は大腿四頭筋や腸腰筋などであるので、それを使うような運動を思案すればよい。
主に日常生活で必要な最低限の動作は「寝返り、起き上がり、立ち上がり、歩き(転、起、立、歩)」である。これらの動作をさらに小さく分けたり、プラスアルファとして「食事する、ボールを投げる、ドアノブを回す」などの動作分析し、それぞれの動作の関節の動き、使う筋肉を考えれば良い。
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指導のパターンを豊富に
いろいろな動作分析により、関節動作や使う筋肉をピックアップしたところで、ただ単にひたすら同じ運動ばかりしていても受ける側からしたら面白くない。やはり面白く楽しく運動できるように考えるのも指導員の仕事だ。
いくつかのパターンを考えてみよう。下記のような分類で考えるとバラエティ豊かに進めていきやすい。それぞれを組み合わせるとさらに内容が充実する。
①普通に関節を動かすトレーニング
②道具を使用したトレーニング
④レクリエーション系のトレーニング
⑤リズム系トレーニング
⑥イメージトレーニング
⑦コンセプトトレーニング
といった具合。
①普通に関節を動かすトレーニング
その名の通り、ただ単にひたすら動かす。速さや回数は規定なし。
②道具を使用したトレーニング
ボールなどを使用し、ボールの位置を変えていくような動きを実践してもらうことで、結果的に関節運動ができている。
③脳トレを取り入れたトレーニング
例えば、足踏みにしても単純に左右交互ではなく片方2回ずつやってみることによって、その課題に集中するがため知らずのうちに太ももが上がっている。
④レクリエーション系のトレーニング
遊びを含めてみる。
⑤リズム系トレーニング
ドラムなどのパラディドルを取り入れたり、アクセント変動、強弱をつけた足踏み、ボール叩きなど。
⑥イメージトレーニング
階段や段差、水たまり、坂道をイメージして歩く。または、地面に落ちているお金を探しながら歩く(笑)など。何かシチュエーション設定し、イメージしてもらうことによって、より自然な運動が実現することもある。
⑦コンセプトトレーニング
歩くや、寝返りなどのコンセプトを設定し、それを分析した動作を取り入れる。
普段から取り組むこと
1動きを考え体感する
日常生活動作を主体に、どんな動作があるかなあとイメージし、実際に自身でやってみましょう。その時、どの関節がどのように動いているか、そして使っている筋肉は何か。
2他の指導員が実施しているメニューをみる
指導員によって、考え方や、やり方はまちまちです。良いなあと思ったメニューはもちろん、違うなあと思うメニューでも、とりあえずは自分の引き出しに取り込んでしまいましょう。
3最低限の日常生活動作を覚える
人は寝ている状態から立ち上がり、歩く。それが基盤的な動作になります。まずは寝返りから体勢を整えて体を起こします。そこから立ち上がり、歩き出す。要約すると「転、起、立、歩」
そこにいろいろと肉付けは必要ですが、これら4つは最低限覚えてしまいましょう。
指導の説明にも大いに取り入れましょう。
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介護の現場でも役立つ。周囲の人への意識付けにも。
最後に
人それぞれ、ケガや体調不良などがあるかもしれないので、事前に把握した上で指導を実施しましょう。特にレクリエーション系やイメージトレーニングは、受ける側もテンションが上がったりと、転倒リスクも上がってしまうので特別に注意してください。