私が、もみほぐしを始めた頃、事細かに指導された施術フォーム、けっこう無駄があった。
もみほぐし施術のフォームは勤務先の店の決まりや、教えてくれる人の考え方によって様々かもしれません。
しかし、実際には一つの必須事項さえ踏まえていれば基本的に良いわけで、逆にその必須事項を踏まえていないフォームは無駄な力がかかり、ダメなフォームと言えます。下記を参考にしていただければ、問題解決に向けて一歩前進できると思います。
本題の、施術フォームが分からない、覚えられない原因としては、「力のかかる仕組みを理解できていない」が挙げられます。これさえ理解して実践できれば、もみほぐし施術をより上手く、指名を増やすことに繋がります。
ではどんな対策をとっていけば良いのでしょう。
[対策]
まず施術方法の基本となる押圧は術者の体重を施術部分にできるだけ無駄な力なくして乗せることができるかどうかです。正しいフォームとして最初に教えてもらう際に、ただ単にそのフォームを覚えるのではなく、そのフォームを作る意味を考えます。
基本フォームとして、大まかには皆同じ感じにはなりますが、個々で体の形や重心の位置は異なりますので、フォームを完全に決めて、ひたすら練習するというのは好ましくないと思います。基本フォームを基に、施術ポイントに対する手指の置き方や体重のかかる方向をしっかり考えながら個々のフォームを作っていきましょう。考えの基となる留意点を下に記載致します。
- 全ての施術部分を点のみではなく、どのような傾斜の面なのか、一押圧毎に判断し、面に対して垂直になるよう手指等を合わせる。
- 面に対して圧をかける際、指先・手首・前腕・上腕が一直線に近ければ近いほど力の効率が良い。
- 指先・手首・前腕・上腕を一直線近くに保つためには術者の体勢調整が必要不可欠です。面が変われば押圧方向も変わります。一押圧毎に体勢を変えましょう。
- 目線は施術ポイントばかりにやらず、目の水平ライン上で正面にやります。それは術者の体の背筋が丸くならないようにするためです。術者の背中が丸くなると、上半身のみの体重しかかけられなくなります。結果的に手指等に無駄な力が加わり術者とお客様ともに危険が伴う施術になり得ます。術者の腰・お尻・脚の下半身で体重を乗せていくことが理想的です。
- 押圧は原則として体重移動で行う。指で施術を行う際、施術部分の接地部にある術者の指は固定状態で手首の返しで微調整する。
<参考画像>
以上、全てが正しいフォームを作り上げる上で大切なことで、術者にとってもお客様にとっても良い結果に繋がる近道です。そしてこれらの根底にある考え方として下記の原則を忘れないでください。
- 術者自身の体をいためてはならない。
- お客様の体をいためてはならない。
- お客様を不安にさせてはならない。
さあ、正しい知識と技術をもって、さらに上達して指名客・顧客を増やしましょう!
お客様もセラピスト自身も安全・安心・リラックスできる雰囲気作りを目指しましょう!
<引用文献>
☆施術の基本書
ほぐし整体”ゼロ”起点
☆疑問解決の問答形式にまとめた実用書