さて、肩こり訴える人の中には、実は首であることもあります。首と言っても後ろ側であったり前側であったり様々。今回はタイトル通り、首の前側が痛い、だるいと訴えてこられた状況を想定します。
もちろん体に触れる前に聞き取り。どこが辛いですか?肩やねえ。なるほど、では肩をほぐしていきましょう。っていう流れは絶対にしません。
本人曰く肩とは背中であったり首根であったり、はたまた首もまた当てはまり場合があります。そもそも、その人自身、どこが辛いのかはっきり分かっていないこともあります。
だからまず聞く。できるだけ細かく聞く。よっぽど話したくないオーラを出してくる人には聞き取りの重要性を根気良く説明する。それでも無理なら自分の説明力のなさを認めて勉強する。
聞いていく中で、肩といえども首であることが判明。そこまで聞くと、少し体に触れてみる。軽く場所の確認程度ですよ。すると首の後ろよりも前側が突っ張っている。
そこですかさず「最近しっかり寝ていますか?」に対して「ん〜、寝る時間はとってるけど夜中によく目が覚める」「寝つきが悪い」が大半。しっかり寝ていると言い切る人にはさらに「最近考え事が多いのでは?」と聞く。だいたいそうだと返答。
で、首の前側に触れながら、突っ張ってますね〜?と言いながら「この筋は脳から直接の神経ラインなので頭の中の疲れが影響しますね〜」とつぶやく。
で、本格的に施術を進めていこうとする前に、大切なことが一つ。「風邪気味ではありませんか?」これは本当に重要。首前の筋肉の周辺にはリンパ節があります。なので風邪や風邪の前触れで痛みやツッパリ感が出ることがあります。それを確認せずにアプローチすると体調不良を悪化させる原因になりかねません。もし風邪気味だと言ってきたら、すかさずこれらの説明を行い。首前部分含め、首まわりの施術を行わない方が良い旨を伝える。とにかくやって!って言うてきたら「さらにしんどくなって明日起きれなくても良いんですか?」と、ちょっと厳しめに返答しましょう。「なので、肩甲骨まわり等を軽めに施術していきます」と愛のある対応を心がける。そら、しんどくて自分に頼ってきてくれた人を、さらにしんどくさせたくないですからね。お客様の言うことをできるだけ受け入れたい気持ちはありますが。悪化させてしまうようなことは断固拒否する気持ちを忘れては本末転倒です。
風邪ではなく、ただの疲れだと判断したらようやくアプローチ。
首の前の筋肉とは胸鎖乳突筋が主です。
アプローチ方法は“引っ掛けて伸ばす“です。施術者の親指なり四指なりを筋肉に引っ掛ける、そして横方向へ伸ばす。具体的には周りの施術家に尋ねてみてください。
で、首前のアプローチが終わったら頭や顔のリラクゼーションもお忘れなく。先程の話より、首の前側の筋肉は頭の疲れも影響します。なので当然のように頭や顔の施術も視野に入れる。
ちなみに、腕や手のシビれがある人にも同様のパターンで一部対応できます。
以上、個人的見解によるお話でした。