腰が痛い・・。
「はい、どのあたりが痛みますか?」に対して「このへん(骨盤の上の背骨の右か左どちらかを触れながら返答)」もしくは「どこか分からないが体勢によって痛みが出る」
前者のように、痛み箇所がはっきりしていればまだ良い。とはいえども、痛みの種類として激痛なのか、心地よい痛みなのかも重要。激痛であれば即受診を勧めないと大変なことになるかもしれない。過去に2人出会ったことがある。一人が私の父親で、普段全然弱音を吐かないのに突然、背中の痛みを訴えて私の整体院に来た。背中の痛む箇所を聞き出し触れてみる(軽く押してみる)。すると想定外の痛がりよう。その時は分らなかったが後に大腸ガン末期が見つかり数ヶ月後に他界。もう一人は接骨院経営時にみたお客様。背中が痛いと訴えられていたが、前例があるため、ピンポイントは避けて、周りをさするよう施術。不安は的中。数日後にガン(どこかは忘れた)で他界したことを聞く。
仮にガンでなくても圧迫骨折でも激痛が起こるんではないか。これは直後の人に触れたことがないのでハッキリ分からないが、骨の損傷である以上、やはり痛みは激しいのではないか。そんな人も、やはりとにかく受診。圧迫骨折直後の人に私には対処のしようがない。
私にできること。それは下記のような人への処置と指導。
■疲れによって痛みやダルさがある人
■腰部ヘルニアと受診されて急性期を過ぎた人
■脊柱管狭窄症と受診されて急性期を過ぎた人
■特に切迫した事態ではないが腰から脚が常に重だるい人
これらに該当すれば何かしら対処できるわけだが、該当するかどうかを知るためには聞き取りと軽く触れて痛みの確認、ピンポイントの確認が必要になる。文頭にあるように激痛はどんな時でも必ず受診を一度は勧める。それも整体師としての一業務であり義務だと思う。
まあヘルニアや狭窄症を知るためには受診が必要なので、結局まずは受診か。私はそれで良いと思う。いくら西洋医学の対症療法が理想ではないといえども、やはり医師じゃないと体の中身を検査することはできないのだから、まずはそこからじゃないと処置が始められないというところが実際ではなかろうか。整体師として恥ずかしいのかもしれないが私はそれで良い。
だから「治せますか?」って聞かれたら「治せません」と答える。ただその次にこう付け加える「治る方向にはできます」
というわけで、ちょっと具体的に。
まず、激痛はとにかく受診。腰周りを反ったり丸めたりして痛みがあればヘルニアや狭窄症を疑い受診の勧め。なんかだるい、この辺が痛い、だるい。けど押すと心地良い痛みである場合、心地良い範囲でアプローチ。でOK。なわけがない。その後の指導が重要。そういう人は運動不足の可能性を疑い、クランチや尻上げ運動と上半身伸び体操を指導。特に上半身伸びは大切。やり方は肋骨を上げる様に上半身を真上に伸ばす。説明方法を変えると、大きく体を伸び起すように深呼吸をする。その形のまま(腹に力が入っているのを意識したまま)肩だけ元の位置に戻す。こうやって腹回りを内部から強くすることが大切。
座位でも立位でも、何なら寝ててもできる。
普段座ってテレビみたりする時、腹の力ってどうなってますか?ダラーんって腹の肉がズボンに乗っかってませんか?まあそこまでいかんでも、力抜けてるなーって思うでしょう。ほとんどの人が。何か事情がない限り、ほんと気をつけた方が良い。腹から背伸びできる人はできるだけやった方が良いです。今腰痛がある人も痛みが強くならない範囲で。今痛みがない人もこの先無縁ではありません。腹ダラーんが常な人、腹筋バキバキと腹ダラーんは別ですよ。いくら腹バキバキでも、意識しないと腹から背伸びはできません。
腹バキバキ=腹筋OKとは限らない!
外面と内面の鍛え方は異なりますから、同じように考えると要注意です。
ちょっとまとめると、腰痛(ガン等の内科的原因や切り傷等の外傷以外)の対処法としては
●痛む箇所の周り、時にはピンポイントでアプローチ
●筋トレ(クランチ、尻上げ)&腹から背伸び体操(腹ダラーんを控える)指導
で、受診を勧めた人が戻ってきて、ヘルニアでしたや狭窄症でした。はたまた何もありませんでした。ならば同じように勧めていけば良い。ガンの人は、何か得策があるのであれば対処し、特に信念がないのであれば適当に対処しようとぜずに丁重にお断りする。悪化させてしまう可能性がある。
ということで、最後にもう一度
腰痛(ガン等の内科的原因や切り傷等の外傷以外)の対処法としては
●痛む箇所の周り、時にはピンポイントでアプローチ
●筋トレ(クランチ、尻上げ)&腹から背伸び体操(腹ダラーんを控える)指導