整体師頭中[かたこり(首根)編]
どこがお疲れですか?の問いに対して大半を占める返答が「肩こり」。でした。私の場合。出会う人が違えば返答も変わると思うので、ここはあくまでも私自身の見解。
さて、肩こりと答えた人に対して整体屋はどんなふうに考えて対応するのか。これもまた私の見解で記していきます。
まず体に触れる前に聞き取り。肩のどのあたりが辛いですか?だいたいは首と肩の境目(首の根本)と返答される。もちろん、左右の肩甲骨の間や首まわりと返答する人もいる。しかし一番多いのは首根。
なるほど。ところで、どんな動きをすると痛みますか?「右に首を倒すと左側が痛い。つっぱる。」では左に倒した時は?「ツッパリ感はないが、詰まった感じがする」このような場合は、左の首から肩にかけてのどこかに固まった部分があるのかな。とイメージする。何か普段と違った特別な動きをしましたか?特にない。普段、腕を上げたりと運動はしていますか?していると答えられるとちょっと間が悪いが、それはそれで肩甲骨の動きが悪い中もしくは丸背の状態で行っているのだろうと疑う。するとたいがい正解だ。まあしかし運動をしている人はほぼいない。運動をしていないから肩甲骨の動きが鈍り、その肩甲骨に付着する首からの筋肉の一部が固くなるのだ。
で、やっと体に触れてみる。まずは痛む場所を確認。ポイントを確認したら次は肩甲骨の動きを確認。この時点で、たいがい肩甲骨も固く、腕や首の動きとの連動性が低いことを認識する。じゃあ肩甲骨の周りをほぐせばいいのか?まあそれで良い場合もあるが、それだけで油断してはいけない。肩甲骨に付着する筋肉は一部、腰骨まで繋がっている。さらに肘のあたりにも繋がっている。なので、肩甲骨を緩めるためには腰回り、腕も一緒にみていかなかればならない。
ということで、いよいよ施術。
まずは最も辛いポイントから徐々にアプローチ。そこそこ‥。ってまずは心地良さよ与えることが大事。これを飛ばして肩甲骨や背中、腕からアプローチすると、その人にはストレス。なんだ話が伝わっていないのか。と不信感から体は緊張し、後の施術効果が落ちても致し方ない。別の場所からアプローチする場合は必ず説明が必要。
で、肩甲骨まわり。いまいち柔軟性の確保に至らないと思ったら、すかさず背中、腕にもアプローチ。そして肩甲骨に戻る。肩甲骨の柔軟性を感じられるようになったら、ようやく本丸攻め。こででひとまずOK。だけど、これでもダメな時もある。その場合は背中の骨の関節の硬さやズレ方向を確認して、何かしら調整。ここまですればまあOK。
で、終了。ではダメですよ。普段から肩を動かす意識をしましょう。その際にとても重要なこととして姿勢保持。姿勢といっても難しく説明しない。ただ、腹から上半身を起こしましょう。って感じ。
肩こりに対して施術者にできることは状態を確認して、固い部分に動きをつけてあげること。あとは本人の努力しか治せることはないと。そう思う。で、できれば一言こう伝えよう。「様子を見て全く良くならなかったら病院で診てもらいましょう。」別に適当に誤魔化しているわけではなく、重大な疾患が潜んでいる可能性は否定できないので、むしろ言うべき言葉である。だけど、できるだけ軽く。とりあえず受診してもらって何もなければ安心ですよ。その人も施術者も。